怪我は残念だが、セレッソの運気は上がってる

序盤戦にスタートダッシュで好位置につける事に成功した'21シーズンのセレッソ。しかしその代償は来た

 

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3選手が故障した事には悲観的な見方およびクルピの固定メンバー用兵策を非難する声もあるようだが、私にはこれすらセレッソを利する天の配剤に思えてならない

 

負傷となれば流石のレヴィーも選手を休まさざるを得ない、つまりまだまだ長いシーズンに備えて主力選手に割り切って長期休暇を与える形に自動的になる

 

しかもタイミングも絶妙で、Aマッチディ休暇+その後のスカスカ日程の時期である。ご存じの通り、開幕からの3週間強で7戦もしたのに次の2ヵ月では僅か4戦、しかもレッズ戦が日程確定してないので、もしかしたら3戦しか消化しない可能性すらある

 

公式発表された全治期間から考えると3選手とも2ヶ月での戦列復帰は可能だと考えられるので、上手くいけばたったの3試合のロスで主力選手をオーバーホール出来る事になる

 

これが、ここからが正念場の夏場あたりに故障のケースだったら倍の8戦ぐらいは欠場を余儀なくされる。電脳ゲームでもこんなに上手く時期をコントロールして故障休養はさせられへんやろ

 

更には、皆さんお待ちかねの代役の起用という副産物もある。こう言うと実も蓋も無い話だが、レギュラー選手の故障という"タナボタ"が無ければそろそろレンタルを覚悟せなアカン選手は何人か居たやろ

 

原川の代役は藤田やろうが、今やセレッソの攻撃の看板役者となった坂元の代打ちは誰? 同じくレフティ? 昨季レンタル先で左サイドをやってた選手? それとも3トップにしてFWを起用? 4戦は彼らがアピールするには十分な期間やろ

 

プロスポーツに故障は付き物。誰かが故障する度にイチイチ悲観的になったり"犯人探し"してたら、一升瓶がいくらあっても足らんで

 

第6節A湘南戦 最高の滑り出しの序盤戦

開幕から怒濤の7連戦の最終第7戦目の湘南戦、試合自体は...な一戦やったが、これで7戦トータル4勝2敗1分となった訳だが、皆さんはこれをどう評価するやろか? 私は"これ以上、望むべくもない出来過ぎの滑り出し"やと思う

 

7試合で勝ち点13は、例年の34試合では勝ち点63に到達出来るペース。この勝ち点がどれぐらいの順位を期待出来るか、興味のある人は過去データを調べてみればエエ。望むべくもない好位置スタートである

 

一部には「固定メンバーで酷使したせいで故障者が出て...」のようにネガティブな見方をしとるようやけど、それは得られた対価を全く評価してない負け犬発想やと思うで

 

敢えて"犠牲"というが、原川、坂元の犠牲により得られた開幕ダッシュのお陰で、他所のチームはもうセレッソを戦前の下馬評10位で終える中位チームとは見ていない。「フロントがアホやからオフにドタバタしとったけど、やっぱり強豪チーム、セレッソ手強し」との印象を持っとる事間違いなし

 

これは後々セレッソを大きく助ける事になる。対戦相手はセレッソに対して無意識のうちに日本人特有のリスペクト精神が働き、ベテランFWに名前負けして不必要にマークに行ってノーマークにした相棒の若手FWに出し抜かれたり、強気に行けば崩せるなんちゃってロティーナ式の守備陣なのにビビってシュートをフカしてしまったりと

 

戦力だけでサッカーを語りたがる奴らはメンタル面を軽視し過ぎで、実はプロスポーツの試合って半分ぐらいはやる前から勝負がついとる。大して試合など見てない私の某友人などは「今日の相手は湘南? 楽勝やろ」って言ってたし、多分セレッソの選手もサポも、相手の選手もサポも(程度の差あっても)"セレッソ有利"の見方やったやろ。それが無ければあんな不出来な試合を引き分けに持ち込めたかどうか...

 

さて、後はこの有利な状況をクルピが如何に活用するか? 最近のインタビューでは嘗ての勝負師の目の輝きが戻って来たので、更に一発かましてくれる事を期待しようか

 

第5節H大分戦 固定メンバーで行けるとこまで行く?

10人相手

新監督の準備期間

最下位チーム

 

先に断っておくが、疑り深い私はまだまだ信用してない。何故なら上記の通りここまで勝ったチームは全て"注釈付き"だから。で、今回ようやく無敗のチームに土を付けてようやく信じられる... かと思いきや佐に在らず。ほぼフルターンオーバーのBチーム相手やったから

 

オフの監督交代劇の"大義名分"の1つとしてロティーナがメンバー固定で戦う事を挙げてた輩も多いけど、彼らは毎試合判で押したようなスタメンを続ける現監督にさぞやご満足の事やろな?

 

ハッキリ言って奴らはターンオーバーの正の面しか見てない。負の面とは、この試合の大分の敗因。そもそもレギュラーとはそのチームで一番上手い11人なので、ターンオーバーは上手い奴を差し置いて下手な奴を試合に出せ!という事に他ならない。ベストメンバーの大分が出てこないんやから、セレッソも幾分かは与し易かったと思うで

 

ちなみに負の面があれば当然正の面もあって、それはコンディション。ターンオーバーしてくる相手に対しセレッソが後半運動量で圧される嫌いががあるのもまた事実

 

しかしセレッソの場合、(未だに)平均年齢の高いベテラン中心のチームでハナから運動量を売り物にしてるチームではない(約1名を除いて)ので、多少動きが悪くなったからって致命傷になる訳ではないのでは?

 

実際、セレッソで交代で入ってくる"フレッシュ"な選手が試合を決定付ける働きをする事はなく、コンディションで能力差を克服する事はウイイレサカつくの世界と違って楽な話ではないらしい

 

つまりターンオーバーはレギュラーと同等の能力の選手を11人用意できる欧州のビッグクラブでのみ有効な手段で、Jでそれが出来そうなのは昨季のフロンターレぐらいか?

 

まぁ、先程も言ったようにターンオーバーにしても固定メンバーにしても功罪両面があるので、どんな監督であれ負けが込んできたら「これじゃイカンから控えを使おう」ってなる訳で、結果が出てるのに入れ換えを声高に叫ぶのはみすみす勝ち点取りこぼすだけのナンセンス

 

その時使われるのは、足止めされてた新外人選手なのか、私が期待するもっくん山田なのかは知らんが

第4節A横浜FC戦 守り切るよりトドメを刺しに行くのか

「チームが出来るまで10試合は...」のセリフで有名なクルピだが、流石は勝手知ったる我が家、桜の監督として第4次政権ともなればそんなに手探り期間は必要ないらしく、5戦目にしてチームの方針が固まったようだ。それは、

 

「リードしても守りに入らず、トドメを刺しに行く」

 

勝ち越しさえすれば2点差に拡げに行くのではなく、そのまま逃げきりを狙う。前々政権からの4年間は、それが堅守セレッソの必勝パターンだった

 

ユン以前のセレッソはそれとは正反対の「1点リードなんか守り切れる訳ないから、追い付かれる前に2点目を取りにいこう」のチームだった。実際、ザルッソの異名を戴くぐらい容易く失点するので、最後までゴールを目指す戦い方は間違いではなかった。そして今、久々に守りに入らないセレッソが戻ってきたようだ

 

正直、この戦い方は危うい。約2チームを除いて、今のJ1にはそんなに簡単に点が取れるチームなど無いから、上手く守り切るMétodoを見つける方が手堅く勝ち点を稼げる。それはユンが証明してくれた。今季はテッペン目指すより足下を気にして戦い抜くシーズンだと私は思うのだが、監督の考えは全く違うようだ

 

ちなみに同じような考え方のクラブがJには幾つかあって、その代表格がフロンターレ。昨シーズンの同クラブの記事に目を引くfraseがあった

 

「今季は攻守に相手を圧倒する」

 

これを見た時「そんなマンガみたいな話、通用するかよ」って思ったが、昨季は完膚無きまでの歴史的な優勝、見事に通用してしまった

 

出来るかどうかは別として、クルピ一座も同じ物を目指してると理解した。エエやん、大久保嘉人という想定外の得点源を掘り当てたんやから、やれるところまでやったらエエんとちゃうの?(半分投げ遣り)

 

その博打が失敗して3回が年ぶり4回目になっても、今更慌てふためかんから

 

 

第3節H清水戦 同期会?

一部の人に言わせると、ウチと清水は"同期"ならしい。セレッソにとって同期というと'95年J加入時のが思い浮かぶのだが(柏餅桜餅の餅ダービー?)、'17年にJ2から昇格したという意味だとか

 

初年度からのJリーグメンバーであるアチラさんにとっては唯一の"昇格劇"なのでクラブ史に残る事象としてそう感じるのだろうが、自滅降格の常連のクラブとしては、そんな事言い出したら柏を含めると何と6クラブと、同期だらけになってしまう。バブル入社組かよ(笑)

 

それよりも対エスパルスで意識するのは"ロティーナダービー"。本人も冒頭のインタビューで「僅か数ヵ月前まで居た長居」と言及してたように、私にとってはこっちの方が味方の監督インタビューの印象が未だにある。オレンジ色のマスクでもしてるならともかく、監督は服装で所属チームが分からないし

 

片山の方はオレンジのアクセントの入ったユニフォームを着てるので「あぁ、今季から敵の選手なんやな」と現実認識できたが、引きの画でもパットが入ったような肩幅の広さで直ぐに瑛ちゃんと分かるので、やたらそっちに目が行き実際以上に活躍してるように思えた

 

で、そのセレッソ前監督率いるエスパルスだが、昨季のセレッソの完全なコピーチームじゃなくて'21版のバージョンアップが入ってるようで、前プレがやたら激しい

 

'20シーズン当初にも触れたが、ティーナfútbolは即帰陣してラインを形成する守備だけでなく、前プレやゲーゲンプレスも出来る。しかし鬼日程対策で体力の消耗を抑えるため、ここぞという時しかやらなかった

 

しかしそれでは時代のトレンドに取り残されると思ったのか、試合序盤からプレスをかけてくる。そしてその試みは見事に成就し、先制点ゲット! で、先制すればベタ引きで試合をクローズに持ち込むのかと思いきや、何と前プレ続行(やや強度は落としつつも)。やはりアップデートされとる

 

モリシ社長とGMは何やかんや難癖付けてロティーナを追い払ったが、監督続投してもアンタの要求に応えてくれて戦術改善してくれたんとちゃうの?

 

その難癖が口から出任せである事が明らかなのは、「若手が次々出てくるチーム」にする為に呼んできたクルピになっても、若返りが遅々として進んでない事

 

私が懸念した通り、たった一試合の不出来で西川が干されてしまった。中島も山田も藤尾も全然お声がかからんし、「若手を育てる為に監督交代」の看板には偽りありだと言わざるを得ない

(まぁ、アズキのおっさんにしたら「そんな看板出した覚えはない。ヒゲが勝手に言ってるだけ」なんやろうけど)

 

そんな中でも辛うじて若手期待枠に入る加藤陸次樹が、どうやら戦力としての居場所を確保しそうなのは明るいニュース。大久保が得点源としてある程度アテに出来る事は分かったが、今のチームの守備力ではもっともっと得点力が必要

 

PK失敗で落ち込んでるようやけど、それが理由で干すようなクルピではないやろ。次も出番くれるやろうから、気にせんとガンガンゴールを狙ってくれ

 

第2節A エフシー戦 勝敗よりも気になる事

赤っ恥の逆転負けに怒り心頭大騒ぎしとる面々も多いようだが、同じく奴らが大喜びしてた開幕戦勝利も10人相手の追い風参考記録程度に思ってた私にとっては、「さもありなん」な一戦

 

レヴィーのチーム作りの合言葉"10試合"を考えると、今は勝敗よりもチームがどう機能してるかの方が大事。攻撃はロティーナ時代と比べてテイストが明らかに変わり、しかし良化悪化両面があり判断保留。しかし守備は明らかにマズいやろ

 

王者川崎には「CBとSBの間(ギャップ)を狙うことがクルピセレッソ攻略法」と思いっきり公表され(対セレッソ戦に限らず、それが川崎の攻撃の基本ではあるが)、今回は「ちびっ子チームは高さで攻めろ」と第2攻略法を晒されてしまった

 

高さの問題はフチボウが抱える競技的ジレンマ。幾ら洗練された高度な戦術を実践したところで「セットプレー1本でハイ終了」が結構な確率で起こりうるのがロースコアスポーツの悲しい性

 

ティーナがあれだけ時間をかけた緻密なゾーンディフェンスを、現代サッカー理論についていってるかアヤシイ老体に期待するのは酷やと承知してるから、せめて高さの対策だけはしてくれよ

 

そう、この日の敗因は瀬古を引っ込めた事やろ。高さに限らず、今の守備ラインを1人で背負ってるといっても過言でない'21版桜の守備の番人を、監督自ら引っ込める利敵行為はどうしたものか?

 

理由は簡単、前半で1枚貰ってるから2枚目=退場を恐れてなんやろうけど、「それで退場になるんやったら仕方ない」と今は瀬古と心中すべきやろ

 

攻撃守備が上手くいくかもさる事ながら、私が懸念してるのはレヴィーの交代策のキレの無さ。嘗ては交代カードの切り方だけでチームを何度も勝利に導いた真剣師が、今はその面では三流だったロティーナと大差ない

 

試合前のインタビューとか見ても、良く言えば泰然自若、悪く言えば浮世離れしてて嘗ての勝負師の面影が無い。大久保抜擢で我々を出し抜いた時は「アズキのオッサン、まだまだ枯れてなかったか」と唸らせてくれたが、どうもそう判断するのも早計やったかもしれん

 

指揮官が"大丈夫"か? これはチームの戦力と同等に重要な事で、レヴィーが嘗てのようなギャンブラーぶりを見せてくれるか、以後の試合でも注目しとくわ

 

第11節A川崎戦 西川潤は崖っぷちに立たされてる

フロンターレは昨季ダブルを喰らってるから、この試合で負けたから弱くなったとは言えない

 

が、良くなったとも言えないやろ。点差こそ最少やったけど、相手はやりたい事をやりきって勝ったんやから。やっぱり開幕戦は1人少ないハンデ貰った"追い風参考記録"で、チームの評価はまだまだ保留や

 

と言っても柏戦のハンデは天から降ってきたものでなく、大久保が自力で引き出した"成果"。そしてこの日の2ゴール。もう引退興業シャツ売りでの獲得では無かった事は認めざるを得ない

 

齢38になるベテランがこのペースで活躍が続くなんてお目出度い発想は無いが、開幕前のベンチ入りも疑われる状況から「新たな得点源大久保を如何に消耗させず効率良く働かせるか?」のステージに移った事は間違いない

 

つまり、スタメンであろうがベンチスタートであろうが攻撃陣のベンチ入り枠が1枠消えてしまった(他の選手から見て)事になり、それによって一気に窮地に立たされた選手が、本日途中出場の西川潤

 

今のセレッソ、実は西川とポジションが被ってる選手が多い。プレー位置の話ではない、"躍進が期待される若手の攻撃的選手"という立ち位置の選手が

  

仙台と新潟で結果出して引き戻された山田&中島、西川と同じく2年目の藤尾、そしてチョット年齢は離れるがこの試合で同じく途中で起用された加藤陸次樹。期待の若手アタッカー枠にこんなにも選手が揃っている

 

大久保が戦力になった事で、若手枠からベンチ入り出来るのはせいぜい1名(この試合は豊川が負傷らしいので2枠になったが)。つまり若手枠から誰かが戦力になる事を確立してしまったら、残り4名の居場所はスタンド&昼の舞洲の練習試合

 

起用されてるうちに結果を残さんと、多分クルピは干すで。何たって今の西川の数倍は期待されてたジーニアスを徳島送りにしたぐらいやから。フロントの思惑がどうであれ期待料だけでの起用はアテには出来ん

 

大久保が点を取るだけでなく、屈強DFに削られ続けながらあの小さな体を張ってプレーする姿を見せつけてるのに、10代の選手があのヌルいプレーはないわ。途中出場35分間ほどで評価するのは酷ではあるけど、もうそんな事を言ってる状況ではないやろ

 

殆どの人に忘れ去られてるけど、セレッソ複数クラブからの争奪戦の末獲得した大学No.1FWを、J3からも買い取りお断りされるまでに腐らせた実績があるんやで

 

高卒大卒の違いはあれど、その二の舞にはなりたくないやろ