ZX-25Rインプレ 其の陸 ハイテク装備

ZX-25RCBR250RR同様、スロットルバイワイヤなので各種電子制御はお手のもの。クラス最高峰のプレミアムモデルたるZX-25Rには、大型SSばりの各種電子制御が搭載されている

 

トラクションコントロール

元々は大排気量バイクの有り余るパワーを、シロートが暴れさせない為の制御なので非力な250ccごときに必要ない... 私も最初はそう思っとった。しかし「電スロなんやからトルクも制御した方がエエんとちゃう?」と今では思う

 

ワインディングの項でも書いたが、イザとなったらトラコンが何とかしてくれる安心感は大きい。ABS かて、そうそうお世話になる訳でもないけど付いてるとハードブレーキ時の安心感がちがうやろ

 

ちなみに、借り物のバイクなので大人しく走ってトラコンは作動させるような走りはしなかった。なのでトラコンの作動具合は、況んや1~3のレベルの違いなど私には全く分かりませぬ(笑)

 

パワーモード

ZX-25Rのモード切り替えは、フルパワーモードとローパワーモードの2段階切り替え。CBR250RRのモード切り替えは所謂ハイスロットル化で、捻った瞬間のスロットルの開度が露骨に違うので、シロートでも違いを明確に体感できる。一方、ZX-25Rはその違いがよく分からなかった

 

調べた範囲では本来のスペックを発揮するフルパワーに対して、ローパワーでは雨天時や悪路で出力やレスポンスを制御してるらしい。何かトラコンと内容が被ってるような気がするが、ワザワザ別途の項目として存在してるので、よもやピークカットしてるだけのなんちゃって制御、てな事はないやろ

 

私はそうじゃないかと疑ってるのは、ナイショ(笑)

 

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POWER(パワーモード)、KTRC(トラコン)、KQS(クイックシフター)の電子制御

 

クイックシフター

作動させなかったトラコン、どんな制御をしてるかサッパリ分からなかったパワーモードと、全く説明の体をなしてないハイテクインプレだが、そんなシロートの私でもハッキリと理解できるのがクイックシフター

 

使い方は至って簡単。アクセルグリップの開度を固定したままシフトペダルを動かすだけ。その制御たるや素晴らしいもので、下手っぴの私がやるシフトチェンジなんかよりも圧倒的にシフトショックが少なくシフトチェンジしてくれる(というか殆どシフトショック無し)

 

前2者に比べて明確にメリットを感じさせてくれる素晴らしい制御! ...と言いたいところだが、本音を言ってしまおう

 

「これ、要らんやろ」

 

バイクを乗る楽しみの1つ、それはシフトチェンジ。コーナーが近づく、ブレーキングと並行してブリッピング&シフトダウン、そして立ち上がったらシフトアップして駆け抜ける、これこそライディングの醍醐味

 

シロートやから空吹かしが足りなくバックトルクがキツくかかったり、シフトチェンジでギクシャクしたりする事もある。それを「こうするべきかな?」と試行錯誤する過程こそバイク乗りにのみ許された楽しみでは?

 

クイックシフターで楽チン楽チンと、その楽しみを放棄してどないすんの? クラッチ使うの嫌やったらスクーターでエエんとちゃうの? と私などは思うのだが。

 

あれはレーサーがコンマ何秒を詰める為に使うモンやで (続く)

 

ZX-25Rインプレ 其の伍 各部詳細

ここまで誉め誉めのZX-25Rやけど、「初バイクにはお薦め出来ない」の結論に持っていく為に(恣意的)、ここからは重箱の隅をつついていこうと思う。つまり、各部の詳細

 

インパネ

バイクを買う時、私が結構重視するのがインパネ。大抵の人は外観ばっかり気にして殆ど気にもかけてないポイントだが、アンタが運転する時にずっと見続けるシーンに何で無頓着なん? と私などは思うのだが

 

で、ZX-25Rのタコメーターがアナログ表示+速度その他のデジタル表示の組み合わせは見やすくて上々のデキ...と言いたいけど、これってまんまNinja250のデザインやんか!

 

クラス最高価格を誇るプレミアムモデルが、25万も安い普及モデルと同じ見た目とはどういう事やねん!...という思いを禁じ得ないが、コストダウンの為にはしゃあないんやろうな

 

 

操作スイッチ等

インパネと違い、Ninja250との大きな差を見せるのがこの左手の操作スイッチ類

 

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これぞZX-25R、の操作スイッチ

 

先程のデジタル表示は、走行距離&オドメーター表示の上段と、水温、燃費等を表示する下段の二段表示になっている。それはタコメーター横のスイッチでそれぞれ表示切り替え出来るのだが、この左手のスイッチでも同様の操作が出来る

 

大した事無さそうだが、バイクに於いてはハンドルから手を離さずに操作出来る意味は大きい。それにタコメーター横のスイッチは質感が低いNinja250流用品なので、上級車種と同等品(と思われる)のこのスイッチは質感も上々で"プレミアム感"を感じさせてくれる

 

このスイッチ、実はメインの用途は電子制御(パワーモード、トラコン、クイックシフター)の設定切替。しかし設定終了には複数回スイッチを押す必要があるので(もしくは長押し)、停車時に切り替えが無難。私のお気に入りの、走りながらワンアクションで切り替えられるCBR250RRのモード切替のようにはいかない

 

 

レバー、グリップ

私の中ではZX-25RとCBR250RRは250ccのプレミアムモデルなのだが、そう感じさせる一つの要因はレバーとグリップの造り。他の車種の大雑把な造りと違い、繊細な操作が出来るように作ってある

 

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調整機構付きのレバー

 

このZX-25Rに至ってはレバーに調整機構付きで、至れり尽くせり。これで上手く走れなければ、それはライダーのウデのせいだろう(私の事だが)

 

ちなみにハンドルの垂れ角がチョット強いのだが、違和感が出る程で無く、好みの問題の範囲

 

ステップ位置

他の人は全然重視しないが、私はバイクインプレする度に必ずステップ位置に言及するのだが、それはバイクを使うと信号待ちでの停止は避けられない

 

この時、ごく自然に立ってられなければ停止の度に不快感が湧いてきて、それが積もり積もると楽しい筈のツーリングが何か手放しで喜べない消化不良となってしまう

 

私にとってベストなステップ位置はCBR250RRで、停止で脚を降ろすと何の違和感もなく立っていられる。それに準じるのがZX-25R。RR程ではないが、まぁフツーに脚がステップとチェンジペダルの間に降ろせる

 

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停止時は問題ないが、走りの為にもうチョット後ろに!

 

欲を言えばもうチョットだけ後ろに下げて欲しいのだが、その理由は立ち姿勢でなくライポジ。RRに比べると、ステップが前にあるので何やらスクワットでしゃがんだような姿勢になる。つまり足が窮屈になるし、ニーグリップ(というか内腿)に体重が乗せづらく、尻荷重になってしまう

 

これでは1)自然な前傾で超高速走行に臨めるか?と2)ロングツーリング時の尻痛度の2つの観点で、RRに見劣りしてしまう

 

ZX-25Rのようなプレミアムモデルは、パッと乗った時に楽かどうかよりも、長時間とか超高速のような厳しいシチュエーションでどうなるかを重視すべきだと思うのだが、初バイクの人まで取り込みたいというKawasakiの思惑から、若干緩めの前傾ライポジ(ヌルい!)にしてしまったんやろう

 

これはZX-25Rの魅力を逆に損ねてると、私などは思うのだが。もったいないで、正直(続く)

ZX-25Rインプレ 其の肆 高速で本領発揮?

セレッソは今の監督ではダメだと結論出てるので、もうあれこれ書く気もないから一言だけ

 

「もう欧州と交渉始めてるか? 新GMは、ACLでのリーグ戦中断期間を無駄にするんやないで」

 

さて、峠を走ってZX-25Rは250ccライバル車より更に上を行く実力を持っている実感を得て、ダメ押しに高速でそのポテンシャルを試してみた

 

4.ハイウェイ

レッドゾーン回転数の明らかな違いから、高速でライバル2気筒車と比較するのは最早アンフェアな気すらするが、折角の高回転エンジンなんだから試さない手は無いわな

 

合流路から本線への100km/hまでの加速は、例えばCBR250RRに比べてもそこまで差があるとは思えないが(今の2気筒はスムーズに回転が上がる事をかなり意識して造ってると思われる)、こいつの本領は更に上の領域

 

例えばYZF-R25では10,000回転も回せばもうエエかなってな感じになるし(実際にはもっと回るけど気分の問題)、同じ2気筒でも高回転型を謳うRRであれば「ここからが本番」の領域なのだか、それであっても気合を入れ直す必要がある

 

しかし4気筒のZX-25Rの場合は10,000回転は気がついたら上がってる回転数で、走行風の問題があるから同じく気合を入れ直す必要があるけど、振動の少なさから更にアクセルグリップを捻る事に"心の抵抗"が格段に少ない

 

やはり4気筒と2気筒の物理的特性の差は明確で、逆に言ったら2気筒でレッドゾーン14,000とかRRはエラい頑張ってるよな、と思うわ

 

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カウルでエンジンが見えないので、最も4気筒を実感できるアングル

 

問題は、本領発揮の回転域でこのバイクの性能を味わうには当然ヤバい速度域に達してる事。ZX-25Rの良さを実感する度に「やはりエントリーユーザーにはオススメ出来ないな」という結論にならざるを得ない(続く)

 

ZX-25Rインプレ 其の参 峠はノリノリ

250cc4気筒に対するステレオタイプのイメージ、「下がスカスカで街乗りでは使いづらい」は杞憂だったと分かったZX-25R。懸案事項が晴れた気分で、今度はお楽しみのワインディングへ

 

3. ワインディング

これまでの他車のインプレで散々書いたが今の時代のフルカウル250ccで峠が面白くないなんて有り得ない事は先刻承知だったので、「どれぐらい楽しいのか?」と期待感100%で臨んだ峠道。結論から言うと、

 

「価格は正直、乗り出し90万オーバーはダテじゃない」

 

街乗りではその独特のサウンドで魅了してくれた4気筒エンジンは、峠では滑らかに回転数が上がる事で楽しませてくれる。登りのコーナーとかでウッカリ回転数を落としてしまって再加速する時もストレスなく思いのままに回転数が上がってくれる

 

コーナリングで気付いた事は、回頭性がやたら良い。街乗りで走ってる時は、頭というか前のマスが重いなぁと漠然と感じていたのだが、峠でタイトコーナーを曲がる時、重いと感じてた筈の頭ごとハンドルがスンナリと切れてくれる

 

乗る前は、4気筒に比べて車体の倒しやすい筈のCBR250RRに曲がりやすさで劣るのではと予想していたが、「このの回頭性の良さは何だ?」と想定外の曲がりやすさに感心しつつ、いつも以上にアッサリと小回りコーナーを回って行ける

 

それからサスの路面追従性が良くて、路面の繋ぎ目等での跳ねが少ない。このサス性能だけでも場所によって路面の状態がバラバラの峠道を走る時に安心なのだが、ダメ押しがトラクションコントロール。例えば舗装が荒れてるようなコーナーでも「トラコンが何とかしてくれるやろう」という安心感が、「ズズズって行くかも?」という怯えから解放してくれる

 

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250フルカウルでは当たり前になりつつある倒立サス

 

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10Rのように水平に寝たリアサス

 実際にはトラコンのお世話になるような過激な走りを公道でするつもりは毛頭ないが、某インプレ記事で書いてた「コーナー出口ではアクセル全開にするだけ、後はトラコンが限界スロットル開度を決める走りすら可能」の記述を読んで、この心理的安心感は大きなメリットだと思った

 

冒頭でも書いたが、今の250ccフルカウルは何選んでも峠は楽しい。が、Ninja250に比べて乗り出し価格が25万も高いだけの付加価値は十分にある。まぁ、価格差分の性能差はRRに乗ってても日々感じる事だし当然と言えば当然だが

 

なのでNinja250どころかRRよりも更に上質な峠の走りを堪能したい人にとってはうってつけの1台。が、それが価格差に起因している事実が、このオートバイの本質的な問題でもあると気付いてしまった(続く)

ZX-25Rインプレ 其の弐 街乗り

私の興味がセレッソから離れてしまってるので多くは書かんが、絵に書いたようなIniesta様の引き立て役を演じてしまったな。恥も外聞もなく1点を守りに行ってくれたユンのチームの有り難さが身に染みひんか? ワクワクしたって飯のタネにはならんで。プロは勝ち点3を得る者だけが生き残れる世界なんやで

 

2. 街乗り

さて、跨がってみるとライポジはYZF-R25に似ていて、Ninja250よりは前傾だがCBR250RRよりは緩い。何れにせよこのライポジでエントリーユーザーに受け入れられないという事はないだろう。むしろプレミアムモデルだからもっと攻めたライポジの方が良いのではと私などは思うのだが、Kawasakiの判断は「これぐらいの方が売れる」なのだろう

 

試乗前に言われてチョット驚いた事は、「スタートしたら直ぐに6,000回転まで上げろ」 意訳すると6,000回転より下は使わない方がスムーズに運転出来るという事だろう

 

実際はもっと下の、例えば4,000回転とかでも問題なくチンタラ街乗り走りが出来るのだが、確かにタコメーターを見れば4,000回転以下を推奨してない事が分かる

 

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0、4、6、8... 数列的におかしいタコメーターの刻み方(笑)

 

だまし絵タコメーターで4,000回転以下を使わせない暗示もその1つだが、前回書いた「下がスカスカ」と言われない為の対策は相当シッカリやってるようで、"6,000回転以上"を特に意識しないでも停止状態からスムーズにスタート出来る。最新の4気筒エンジンは大したモンやと感心しながら、赤信号で停まるとふと違和感が

 

「あれ、空吹かししてもうたか?」

 

アクセルグリップは捻ってないつもりなのに、ニュートラルから1速に入れるとエンジン回転数が微妙に上がる。何と電スロである事を利用して、ギア状態によりアイドリング回転数を変化させてる!

 

そこまで気を使わんでもエンストせんけど... と私などは思うのだが、「絶対に低速トルクが薄いと言わせない」というKawasakiの心意気が伝わって来るようだ

 

走り出してしまえば完全に「下がスカスカ」呪縛から解放され、極低速でも2気筒ライバルと遜色なく扱える。そして道が空いてきてアクセルを捻ると心地よく回るマルチシリンダー! これぞツインでは味わえない4気筒ならではの醍醐味!

 

エンジンフィーリングだけじゃない、聞こえる高周波が2気筒とは明らかに違い独特で「俺は特別なバイクに乗ってるんだ」感が湧いてきて、オーナーとしての自尊心をくすぐられる事間違いなし

 

このように、街乗りに関してライバルにヒケを取るところが無しで、それどころかプレミアム感アピール度も十分で命題の第一関門突破!、と言いたいところだが、住宅地に入って気付いた難点が1つ、それは...

 

「この音じゃ近所迷惑やろな」

 

表通りを走ってる時は痺れるような4気筒サウンドが、静かな住宅地ではやたら五月蝿く感じて気が気じゃない。「家に近づいたら気を使ってエンジン切って惰性で帰る」という話を聞く度に(特に大型ユーザーから)、「そんな大げさな」と思ってたが、ZX-25Rを購入するには同様の気遣いがオーナーの必須条件、かも? (続く)

 

ZX-25Rインプレ 其の壱 開発の背景から考察

ACLに備えて4月途中からの日程を空けてたらそのACLが延期になり、GWにたった1試合しか行われないなどスカスカ日程続行中のセレッソ。これで試合が面白ければ一日千秋の思いで試合を待てるが、実際は二世代前のJを思わせるような退屈な内容

 

そうなると自然とセレッソへの興味が薄れていき、もう1つのテーマ、Motoに興味が移るのは仕方のない事。という訳で、久しぶりにインプレッションといこう。車種はあのNinja ZX-25R

 

1. コンセプト、経緯

いつもなら、街乗り、高速、峠などシチュエーション別のインプレとか、車体の詳細別に書いたりするのだが、このZX-25Rについては「どういう意図、背景で企画されたのか?」を念頭に置かないと意味のないものになる、それが乗って直ぐに感じた第一印象。なので、逆算めいているが、このオートバイの総評のようなコンセプトについての考察を先に書く

 

ZX-25R発売前の状況は、Kawasaki自らがNinja250Rで復活させて盛り上がったフルカウル250cc市場で、HondaのCBR250RRがクラストップに君臨していた。そのRRの内容は、

 

・それまでの同クラスのスタンダード、Ninja250YZF-R25より明らかに頭ひとつ抜けた性能(馬力、電スロ、倒立サス等)

・価格も明らかに頭ひとつ抜けて高価なのに、予想に反して結構売れた

・但しエンジン形式はライバル同様の2気筒

 

私はNinja250はエントリーユーザーに最適な傑作だと思うのだが、事実としてセールスでYZF-R25の風下に立っているし、それどころか高価なRRにも遅れをとっている。これはユーザーからはダメ出しされてるとも言えるので、この市場を復活させた功労者のKawasakiとしては面白くなかっただろう。なので「プレミアムモデルでリベンジ」を考えたと想像に難くない

 

で、NInja250と同じ250ccのフルカウルモデルを出すとなると、2気筒モデルが2種類なんていくら何でもマーケティング担当が難色を示すだろうし、更には性能面も考慮して4気筒になるのは必然だったのだろう

 

クォーターマルチはバイク開発に携わる者にとって琴線に触れる魔法の言葉らしく、「出す以上は絶対にケチをつけさせない!」という思いにかられたのでは。即ち、

 

・下がスカスカ

・回るだけで全然速くない

 

あたりは絶対に言われたくなかったのでは。それから、いくら良い性能でも売れなかったら、「やっぱり250ccは2気筒で十分だった」と4気筒はミスチョイスの烙印を押されてしまう。それも開発陣にとっては許されない事だろう

 

つまり、1)街乗りで扱いやすく(下がスカスカじゃない)2)ライバルCBR250RRより速く(回るだけのエンジンではない)3)セールスでも成功する、という殆ど達成不可能なような命題を背負わされてのデビューだったと、私は推測する

 

さて、ZX-25Rはそんな無理難題を達成できたのであろうか? 以下、各項目について述べていこうと思う(続く) 

 

 

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第13節A名古屋戦 キャプテンはジーニアスと同じ運命を辿るのか

今季私のイチオシの中島元彦の初先発で大注目の一戦が、まさかまさかの前半で途中離脱(しかも前節大久保のようなハムストリング自滅で)。あまりの落胆で試合結果についてあーだこーだ言う気力も湧かんので、たまには相手選手の事でも書いてみる

 

この試合ではなんちゃってアシストで点に絡んだ=活躍したと見る向きもあるだろうが、私の見方は「移籍しても特に変わってない。スタメン評価してくれる監督のチームでラッキーやな」

 

ここまで7割方の試合で先発出場と、昨季より遥かに多い出場機会を与えられてるにも関わらず僅か1ゴール。セレッソで出番を失った最大の理由「点が取れない」は、何も変わってない

 

私は同選手を、それこそU17W杯の頃から結構詳しく見てきたつもりなので何でダメになったかも良く分かってるつもり。彼が"特別な選手"足り得たのは、1)他の選手の思い付かないプレーを、2)他の選手が追い付けない判断速度で、3)他の選手には出来ない技術レベルで実行してたから

 

これが3拍子揃ってたから、アンビリーバブルなゴールが量産出来た訳で、それが'16年の大ケガで3)が出来なくなり、自分のプレーに迷いが生じて2)も無くなり、「やっても失敗するし」と1)も枯れ果てたのだろう

 

チャンスでボールを受けてもシュートまで行けず相手に奪われ、最後には「キープしてファウルを貰ってくれたら御の字」レベルまで落ちていったのは、良く見てきたサポならお分かりだろう。それはこの試合の決勝ゴールのシーンの「ミスったけど相手DFもミスってラッキー」、将にそのままやったんとちゃうかな?

 

まぁ、ヨソのチームの選手なのでダメなままだろうが不死鳥のように復活しようが極論すればどうでも良い事なのだが、ここに同じ道を辿るのではないか? と危惧される選手が1人。我らがキャプテン清武である

 

試合前のインタビュー記事とかで相手の8番から「今のセレッソを支えてるのは清武」と持ち上げられてるが、ずっと試合見てるサポからしたら支えてるどころか「今季はどうしたんや?」と心配でならんやろ

 

清武の場合は原因が何かは私には断定出来ないが、恐らくは今のクルピのやり方が合わないのだろう。「自分達のやり方が間違ってなかった事を証明したい」とまで言って昨季の戦い方に心酔してたキャプテン。チームとしてシステマティックに戦った上で自らの異能性を発揮出来てた事に手応えを大いに感じて、そして優勝こそ出来なかったが4位という結果を残せた事にチームをリードする立場として達成感を感じてたのだろう

 

それをフロントに真っ向から否定されたら(しかもワクワクとか理解不能な理由で)、そんな簡単には割り切れんやろ。真面目で責任感の強い選手やから前々キャプテンのように気に入らんから反抗的な態度とかは決して取らないし、それどころか新しいやり方でも何とか上手く行くように必死に努力してるようだが、プレー中は説明のつかない違和感を感じてるんやないかな

 

まぁ、原因についての推測は妄想と笑い飛ばしても構わないが、パスは通らないしボールはロストするしと、全然機能してない事実は(少なくとも昨季と比べると雲泥の差)否定出来んやろ。数字は正直で、昨季はキャリアハイだったゴール数も今季はたったの1。奇しくも名古屋の"エース"と同数である

 

で、個々の選手のサポやない、チームとしてのセレサポである私は「上手くいかないなら替えるしかない」と、後釜候補のもっくんに期待して試合を観たのだが...

 

あぁ、もう結果なんかどうでもエエわ。今季は興味が無くなる一方や