第27節大阪ダービー ロティーナは来季を見据えてる?

目出たく勝利したダービー。しかしそれはあまりにも負け過ぎてるので、ここらで勝っておかないと色々と弊害が出るから、という意味で

 

「今は調子悪いがダービーで勝ちさえすれば全て上手くいく筈」なんて、どこぞのクラブのfanáticoなサポが言うような事は、現実世界では有り得ない

 

この勝利でのセレッソの大きなポイントは、ソウザと柿谷。セレサポなら誰もが知る通り、ここ数年チームの王様だったソウザと、セレッソ象徴のような柿谷

 

この2名は一度、先発失格の烙印を押された。私も、「柿谷はもう衰えた。ソウザはロティーナの戦術に決定的に合わないので使いどころが無い」と諦めていた

 

しかしレギュラー選手の怪我もあり、両名は再度先発のチャンスを得る。そして今のところ、二人の株価は持ち直している

 

長年、愛着のある選手の復活は単純に嬉しいが、それより感じたのはロティーナの恐ろしさ

 

この両名をスタメン落ちさせたのは、言わずもがな監督のロティーナ。チームの聖域を「使い物にならない」とバッサリ切れた事も驚きだが、切り捨てられた選手が文句も言わず腐りもしなかった事は、それ以上の驚き

 

栄光から一転、転落した'18シーズンの原因が選手の造反によるチーム崩壊だったのは、明らか。別に柿谷だけが悪いのではなく、起用法に不満のある選手が造反する事はスポーツの世界では日常茶飯事

 

普通はエースが移籍するか監督が切られるかの二択で、昨季は政治闘争に勝利したエースも今季は名古屋へ追いやられてオシマイか... と思ってたら移籍話は流れて、さりとてその後キナ臭い噂が流れるでもなかった

 

ソウザに関しても出場すればワールドクラスのスーパーゴールを決めるなどスペシャルワンぶりを見せるのだが、どう考えても現チームの攻撃の組み立てに適応するようには見えないので「夏に新天地を見つけるのがソウザとセレッソお互いの為」と勝手に納得していた

 

ところがソウザの移籍話は出ず、本人もベンチで別に腐る様子もない(それどころか味方の得点に大喜び)

 

ここまでなら、選手操縦術に長けたモチベーターというだけだが、恐ろしい事に先発復帰した両名、ロティーナの戦術にフィットしつつある

 

自ら一度切った選手を、腐らせず、再生する。しかも1シーズンの内に

 

過去の監督にもモチベーターは居たし、再生屋も居たし、使えない聖域をバッサリ切れるリアリストも居た

 

しかし、それを同時に兼ね備える監督が居るとは...

 

一部でやたら持て囃されてる戦術家ロティーナは、私はそれほど大したモノでもないと思ってたが(世界標準をやってるだけなので)、この監督の凄さはそんな所にあるのではなかった、らしい

 

そして、この老将が王様象徴を再生する意味は、今季の成績にはないのだろう