CBR250RRインプレッション 其の伍 街乗りなら他車種を

確認したい事はだいたい分かったのでテスト終了、とレンタルショップまで車体を返しに行く。帰りは高速代ケチって下道をトコトコと。すると感じる首の痛み!

 

前傾でのライディングは、謂わば床にうつ伏せになってテレビを見るようなもの。常に首を上に向けた姿勢なので、当然首に大きな負担はかかる。これはキツいと首の角度を緩くすると、極端な上目遣いを強いられる。首の負担は緩和されても、今度は目がツラい

 

テスト中は走りに夢中になって気がつかなかったが、我に返ったとたん何時間も前傾で走りまくったツケが... そしてこの後、1ヶ月ほど抜けない背中の違和感も...

 

速く走るには理にかなった前傾を多くの車種で採用しない理由が、これ。楽に乗りたいだけならママチャリの乗車姿勢が一番

 

そもそもゆっくり走るなら14,000回転まで回るエンジンなんか要らない。私自身も下道をゆっくり走った時は、このエンジンの何がいいのかサッパリ分からなかった

 

結局、全てに於いて優れてる商品なんてあり得ないんよね。CBR250RRを開発した目的は、「前モデルのCBR250Rで惨敗した東南亜でのシェアをNinjaから奪回する」で、その為に選んだのがライバルを圧倒するクラスNo.1の走行性能なんやから

 

そうなると当然、サーキットラップタイムが重要で、他車より馬力出るエンジンにしましょう、倒立サス入れましょう、街乗りでは全く不必要だけどラップタイマー付けましょう、ポジションは当然前傾で、となる。実に論理的

 

ここで、「エントリーユーザーにこのライポジでは…」とか「こんな値段では彼らにアピール出来ない」とかいう的外れな意見が優秀なHONDA開発陣から出よう筈もない

 

という訳で、速さでライバルを圧倒する、その為には街乗りで不便だろうが価格が上がろうが知ったこっちゃない、とヤングマシン(とその購読層)が大喜びするマシン、が誕生した訳

 

せやから商業媒体の紹介記事では、こんな風に書かれている

 

前傾だけど街乗りも出来る (Ninjaより快適とは言ってない)

気にならない程度の前傾姿勢 YZF-R1と比べたら)

 

当然黒字が本文で、赤字は私の意訳である。彼らはメーカーから車体借りて、もしくはメーカーに情報を提供してもらって初めて商売が成り立つ訳で、メーカー担当者の気分を害する書き方はできない

 

私はHONDAとは何の利害関係もないイチユーザーに過ぎないから、言いたい事を正直に書ける。これが私が、商業メディアもシロートブログも両方参考にする理由

 

フルカウル250を検討してるアナタ、毎日の通学にお買い物に楽しく乗りたいと思うならCBRは全くオススメしない。 日頃の不便さはガマンできるわ、たまには高速で飛ばしたいし、ぐらいのニーズならNinjaやR25の方が全然適してるから(そもそもこの2台、購入動機の時にも書いたけど、ホントに良く出来たオートバイやし)

 

まぁ、ルックスに惚れ込んで70万オーバーを払える人ならどうぞお好きにだが、カタログスペックに惑わされて大枚はたいても、街では乗りにくいし性能発揮するシーンは全然ないと不満だけが募り、貴方にとってもメーカーにとっても不幸

 

HONDAもその辺りは十分承知してるようで、街乗り用にRebel250を用意してくれてる(カウルないけど)

 

峠や高速でアドレナリン出すバイクより、止まってインスタ映えのバイクが倍以上も売れるのは、時代の流れやね

 

 

f:id:lobodemoto:20191106153405j:plain

止まっても"映える"が、走るともっとスゴいで