CBR250RRインプレ 其の捌 HONDAの良識コンフォートモード

前々回のライディングモードのグラフには、2つの意味があった

 

1つはスポーツプラスモードはパーシャルでのスロットルの開き方が違うだけでアクセル全開時にはスポーツモードと同じスロットル開度(パワー)である事

 

もう1つは、コンフォートモードはアクセル全開でのスロットル開度自体が、つまり最高出力自体が抑えられたデチューンモードである事

 

初めてコンフォートでスタートダッシュを試した時、あまりの出足の遅さに驚きを通り越して、笑いが込み上げてきた。「何これ、友達のヤマハメイトみたい」

 

以来、「速く走る為のマシン、CBRには不要」と全く使わずにいた。が、天下のHONDAが全く不要なモノを付ける筈はなかった

 

ある日、ツーリングの途中で街中を走ってると、お決まりの渋滞に巻き込まれる。CBRで渋滞路を走っても全く楽しい事などなく、それどころかフラストレーションが募るばかり。あまりにイライラして、何故か無意味にモード切替スイッチを弄って走ってみた。すると何やら走りやすい

 

スポーツモードではチョイとアクセル捻るだけで前につかえて(渋滞路なので当たり前)直ぐに減速しなきゃならないが、多少捻ったところでスピードの乗らないコンフォートでは、焦ってブレーキ握る必要もない

 

それにコンフォートは、加速も鈍いけどエンブレも鈍い。だからオンオフスイッチの如くラフに全開全閉を繰り返しても、実際の走りはゆっくり加速ゆっくり減速の超安全運転。実に気楽気楽

 

それが分かってからは、渋滞路でもワインディング気分で軽快にアクセル開けて走る! (実際はカブ如くおっとりと先行車を追走する私のCBR)

  

「クルマだらけ、それどころかチャリも溢れる公道でMC51本来の性能で乗せたらストレス溜まりまくりで事故りかねない。大事な顧客の精神衛生上、性能を抑えたモードをつけておこう」

 

聡明なHONDA開発陣は、きっとこう思ったに違いない

 

今では高速とワインディング以外では、殆どコンフォートで走ってる。慣れてくると、街中の一般道を走るには実に良い具合に設定されている

 

ヤングマシンもユーザーも全く注目しないモードのセッティングにまで、手を抜かない。やはりMC51はHONDAの本気、だったのだろう

 

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街中ではコンフォートモード