CLリバプール戦で大活躍して噂が出てきて、その後英メディアから飛ばし報道を経て、ついに両クラブから正式発表! ミッション完了には、後は試合出場を残すだけの南野拓実リバプール移籍劇、である
南野は、皆さんご存じの通り、セレッソユース出身の桜の戦士。セレッソ産といえば嘗ては欧州移籍市場では血統書付きKOBEビーフのようなブランド扱いされ、実際BBCの記事でも”香川、乾、清武の”と枕詞付きで紹介されてた
南野が出てきた時は、先輩3名を徳國で大暴れしてた時期で、そのブランドの信頼度が絶大だった。その頃「来年また下からスゴいのが上がってくるらしい」との噂を聞いた
その年チームは監督交代に失敗し、僅か半年で前監督クルピに再来迎を頼んでいた。それに応えて復帰した名将、降格圏まっしぐらの負の加速度は止めたが、まだ残留への安心感とまではいかなかった
そこで残留の為の切り札として起用されたのが、まだユース所属だった南野だった
私が南野のプレーを実際に見たのは、その起用初戦。驚いたのは、チームの誰よりも戦えてた事。当時は調子の上がらないチーム状況でレギュラー陣の動きにキレが無かったのは確かだが、それでもまだ高校生の選手が両軍合わせて最も躍動しているのは驚異だった
「高3年代といえば、あの香川でさえ小菊コーチとマンツーマンで下積みしてたのに、南野はもうチームの主役になってる。来年からセレッソの看板背負うのはこいつや!」
見事残留を果たした最終戦のスタンドで、南野が引っ張るセレッソの来季に思いを馳せてたが...
私の予想は大きくハズれ(毎度の事ながら)、確かに高卒ルーキーによる開幕スタメンという偉業を果たしたが、チームを牽引したのはその年から8番を背負った元祖ジーニアス柿谷だった
そのシーズン、南野は終始レギュラー扱いで活躍したが、扱いはどことなく地味で、あくまでも柿谷が主役で、南野はおヒキ(のような)扱いだった
それは得点の差からも当然だったが、サポもマスゴミも、多分みんなが勘づいてた、「柿谷に比べると南野はセレッソっぽさが少ない」
元祖のモリシ以来、セレッソのアタッカーにはトリッキーさが付き物で、特に西澤、乾あたりのプレーは凡人が100年練習しても出来ない、努力では得られない天性のプレーだった
それと比べると、南野で目を惹くのはハードワーク。ボールへの貪欲なプレーとガチガチ行ける守備。あれっ、純セレッソ産なのにヤケに現実的、何で???
後のクルピのインタビューで分かったのだが、当時サイドでのハードワークを託せそうなのは南野しか居なかったらしいので、ルーキーながら彼がその犠牲になっていた訳。そう言えば逆サイドには本職ボランチの山口蛍を配置したりして、当時の名将は1トップ柿谷戦術で勝ち抜く為に苦心してたようだ
という訳で残念な事にセレッソではその真価を発揮しきれずに渡欧となった
けど、私はあの鮮烈なデビュー戦を覚えてるので「タイプは違えど、必ず香川乾清武にヒケを取らない活躍をする筈」と信じていた
先般のCLリバプール戦で大注目されるたように、Österreichでの5年の時を経てようやく本来の価値を発揮できる条件が整ったようだ
そして満を持してのリバプール移籍。よしよし、プレミア嫌いの私やが、香川のマンU移籍以来、久しぶりに英国足球に注目してみようかな