今オフもまた一人、セレッソ初タイトル戴冠時のメンバーが消えた。この3シーズンのセレッソの右の翼、水沼宏太退団である
関東出身のレギュラー選手が、関東のJ優勝チームからのオファーでセレッソを出る。リーク記事が出たとき、「あぁ、山村と同じ道を辿るのか」と思った
只、水沼の場合は山村と違って、イチ選手としての実力以外に考慮すべき背景がある。地元横浜出身でマリノスユース上がり、プロキャリアもマリノススタート、所謂マリノスの生え抜きである
これだけでも古巣復帰には十分な理由になるのに、水沼には更にもう一つ「父親がマリノスのレジェンドプレーヤー」というのまである
日本のスポーツ界は地縁血縁、縁故の世界。これだけマリノス色の強い選手が、雌伏の期間を経て久しぶりに黄金期を迎えようとしてる”おらがクラブ”からの誘惑に抗うのは困難な事やろう
せやから水沼の判断は間違いとは言えず、将来設計まで考えたらむしろ正解とも言えるけど(この後1シーズンでも活躍すれば終身保証やろ)、私の見立ては”御愁傷様”
チャンピオンチームからのオファーはランクアップの反面、オファーを受けた時点がピークになる可能性が高いギャンブル
これは実に簡単な話で、チャンピオンチームというのは一般的に最も優秀な選手が集まってる訳で、それ以外のチームよりレギュラー争いは厳しくなる
つまり、その優秀なレギュラー選手以上の能力がなければ、行き先はベンチしかない
水沼がレギュラー争いする相手は、ご存じカメハメ波3ガイジンとMVP仲川、マトモにぶつかっても勝てる見込みは薄い上に、水沼には特殊な戦い方をするマリノスに後発で入るというハンデまである
これでセレッソ以上の出場機会が得られると考えるのは、よほどのノー天気さんだけであろう
逆にセレッソでは、水沼のキャラクター、直接のライバルと思われる選手も見当たらず(私が密かに期待してた福満も再レンタル ToT)、更にロティーナにも評価されてるらしいので、スタメンの座はまず安泰である(少なくとも来季開幕時は)
昨オフからレギュラー選手の退団劇が続くが、移籍先で勝算があったのは山口蛍ぐらいで、他選手の時は「何でこんな簡単な見立てが出来んのやろうか?」と毎回思う
まぁ、「俺なら出来る!」と自信過剰なぐらいでないとプロの世界で生き残れないんやろうが
兎にも角にも、セレッソ初戴冠の功労者である。しかも然程期待されずの加入だったのに、3シーズンほぼスタメン張って頑張ってくれた
お礼を言いたい反面、ガリレオ湯川先生のように「その才能をベンチ暖める為なんかに使わなければならないとは、実に残念だ...」とも言いたいわ ToT