このインプレの冒頭で書いたように、レブルは250ccクラスのベストセラーバイクである。ここまでの私的採点(オール赤点)だけなら、こんなに売れるなんて有り得ない。さて、何がレブルをこんなに買わせてしまうのか? それはタンデムの項で書いた”謎の魅力”に尽きる
例えば、然してバイクに興味のない若者にCBR250RRを見せてみよう。一言、「速そうなバイクですね(でもこんな危なそうなモノ、僕には乗れませんよ:心の呟き)」と言ってスマホに視線を戻してしまうだろう
ところがレブルの場合は、「これなら僕にも運転できそうだし、彼女を後ろに乗せて海まで走りに行ったら楽しいかも」とチャットを一時忘れて興味を示す事間違いなし
そう、我々にとっては変なライポジで走りも大して面白くないダメバイクなのだが、バイクに乗った事のない若者にとっては体験した事のない楽しい二輪ライフを想起させる夢のアイテムなのである
実際には購入後「お尻が痛くなるから2度と嫌」とタンデムを拒否されたり、「回すと振動も激しいし、思ったほど快適じゃない」なんて思ったりするのだが、バイクなんて高価なシロモノ、おいそれと買い替える訳にもいかず「売ってしまえばこっちのモノ」の世界である
そもそもバイク初購入の若者のうち、どれだけの人が試乗するのやら。恐らく90%は見ただけ跨がっただけでハンを押してるだろう。つまり、乗れば分かるはオッサンにだけ通用する論理で、バイクの世界への導入剤の役目を背負う250ccでは乗る前に9割がた勝負がついてしまう
そんな、1秒も乗ってないのに若者に購入を決断させるレブルは異常に訴求力が高い実に優秀な製品で、それが販売実績として表れている訳
さて、そんな若者ホイホイで一見Honda大勝利に思えるレブルなのだが、このバイクが売れる事による弊害(もしくは私が危惧する事)を最後に書いておこう (続く)