'20 第3節清水戦 どうせ...

前節はいきなり再開の寝起きのようなぼんやりした感覚と、更にはダービーというバイアスもあってよく分からなかったが、再開後2試合目で早くも気づかされた

 

今のチーム、エラく強いんとちゃうんの?」

 

エラく強いというと、ペップ時代の最強バルサが弱小チームを相手にするのように「ボールを完全に支配して相手につけ入る隙を全く与えない」みたいな試合をイメージするかもしれないが、欧州ほど貧富の格差が酷くないJで、そんな極端な強さなんて現れる筈もない。私の感じた今のセレッソの強さは、

 

「どうせ失点しないんやろ?」

 

という雰囲気がチームから溢れてる事。この試合も序盤は結構マリノス擬きの特攻サッカーに圧されて、守勢一方だった。仮に全く予備知識のない人が見たら「あんなに攻められてヤバイやん」としか映らない画も、1年以上ロティーナのチームを見てるサポからしたら「また公式戦で守備練習しとるわ」にしか見えんのとちゃうかな?

 

シロートが見てもそう思うんやから、やってる選手はとっくの昔に気づいてる筈。点を取られない事に自信を持ってるから、相手に攻勢に出られてもムキにならずに「相手は特攻に来とるらしいからここは受けとこうか」ぐらいに思いながら守ってるんとちゃうかな?

 

こう書くと鉄壁守備のような印象があるが、実際には「あと一歩でゴール(相手目線)」みたいな危ないシーンもチラホラ見られる。しかし、そのあと一歩が破られない。大抵のチャンスはヨニッチが潰し、運よくヨニッチの壁を突破してもまだ鉄壁GKがあるという2段構え。そら一筋縄では点なんか取れんわな

 

鉄壁2枚だけならユン政権時代から変わらず、なのだが、今はチーム全体が意思統一されてるからその効果が更に増している。例えば、後半頭とか清水がGegen Pressを強化してきてセレッソは自陣でボールを引っかけられて何度もカウンターを喰らってたのだが、ここでも

 

「どうせボールロストするんやろ?」

 

がチーム全体で織り込み済みのようで、ロスト後の帰陣が速い、速い。つまり、

 

相手が無理攻めできたら、無理に押し返さない

マイボールでは、ボールロストを想定しながら攻めに転じる

 

が、チーム全体に浸透してるんやないかな? せやから傍目にはピンチに見えても「それは想定内」で事が済んでしまう。で、攻めても攻めても点の取れない相手がガス欠したら、攻勢に出て先取点。この瞬間、実質的に試合終了

 

この試合で嬉しかったのは、先取点取って相手の足も止まって余裕が出たら、グルグルサッカーでトドメを刺しに来た事。清武を中心に丸橋、藤田あたりでパスを回しつつ、最後は清武が急所にパスを打ち込む! 嘗て乾、家長、そして当の清武がやってたエンターテイメントがまた長居の地で再現されようとは(無観客での披露が実に勿体ない)

 

私的には完勝の一戦なのだが、試合後の監督のインタビューは前節のダービーと打って変わってしかめっ面... ほぼ勝利を手中に収めた試合終盤には頭抱えてたし、やっぱりバスク人のメンタルは、私にはよく分からんわ