GSX250Rインプレ 其の參 ディメンションと取り回し

前回、「GSRのツアラー路線からGSX250Rのスポーツ路線への変更は失敗」のような事を書いたが、それはあくまでも販売上の話であって、バイク自体の出来の良し悪しとは全く関係ない。 そもそも傑作なのに売れなかった&何でこんなのが売れるの?が日常茶飯事のクルマ&バイク業界だし

 

なので今回からは売れた売れなかったの下世話な話じゃなくて、純粋にこのバイクの内容を見ていこう

 

フルカウルでスーパースポーツ"イメージ"だが、ハンドル位置は高い。Ninja250がリアルスーパースポーツとママチャリの中間点のポジションだとすると、GSXはそれよりも更にママチャリ寄り。Ninjaですら初心者にも受け入れられるポジションなので、GSXがキツいという人は、よもや居ないだろう

 

f:id:lobodemoto:20201115214520j:plain

前傾にはなるが、ライバル車種に比べると高いハンドル位置

 

しかしハンドル位置が楽ポジなのは良いことばかりでなく、スポーツモデルに於いてはむしろマイナスに作用する事も多い。即ちそれは体に受ける走行風。CB250Rなどママチャリモデル同様、一般道でもスピードの出せる郊外幹線道で既に走行風が鬱陶しく感じる

 

伏せる事で風の影響は軽減出来るのだがフルカウル軍団で最もハンドル位置が高いGSXは、伏せた時の不自然さが最も大きい。これが楽ポジのデメリットその1

 

それから、他のバイクも共通の傾向でハンドル位置が楽ポジになるにつれて何故かステップ位置も前になっている。Ninja250ですらギリギリ許容出来る位置(足に触るが何とか我慢できる)なのに、GSXでは自然に足を下ろした位置とステップ位置が完全にバッティングしているので、足を前か後ろに移動せざるを得ない

 

f:id:lobodemoto:20201115202000j:plain

足を下ろした位置と"ジャストフィット"のステップ位置。勘弁してくれ

 

足を前に置くと微妙に不安定、後ろに置くと不自然に突っ張った姿勢と、停止する事が嫌になる。これが楽ポジのデメリットその2

 

これはCB250Rと全く同じ現象で、そしてその時も指摘したのだが、この位置にステップを置く意義が全く理解できない。ホンの少し、せめてNinja250と同じ位置(出来ればYZF-R25と同じ位置)に下げるだけで問題解決するのに、何か前に置かなければならない理由でもあるのだろうか?

 

さて、GSXは前モデルGSR250をベースとしているので、その特徴も受け継いでいる。それは即ち他社ライバルモデルより大柄な車体。何でも、生産してる某国では大きいモデルが好まれるとの事でその嗜好を酌んで250の割には大きい車体になったとか

 

大柄は取り回しにも効いてきて、エンジン切って押し引きする時にその重さがウザく感じる。ライバルに比べて僅か10kg程度の差なのだが、試乗後にCBR250RRを駐輪場から出す時に「RRってこんなに軽かったんや?」と感じるほど

 

まぁ、大柄も全てが悪い訳ではなく、例えば軸間距離が長くなってるので直進安定性が良くなる等もあるのだが、250ccスポーツモデルは軽快さが売りなのでデメリットの方が上回るのでは?

 

その重さが走りにどれだけ影響があるか、走らせてのインプレは次回に