GSX250Rインプレ 其の肆 SOHCロングストロークエンジン

大柄な車体、楽目のライポジに次ぐ、GSX250Rのライバル他車との相違点其の參は、低回転(低速)重視エンジン

 

ライバル達が最高出力向上を目指して「もっと上まで回れ!」ショートストロークにしてるのに対して、「上は要らん」と言わんばかりのトルク重視のロングストロークエンジン。おまけにSOHC。およそカタログスペック勝負など眼中に入れてない清々しい割り切りっぷり

 

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ライバルとは目指すところが違う、SOHCロングストロークエンジン

 

この方向性は、特に前モデルのGSR250のキャラクターに合っていて、それが同車の好評価(好セールス)に繋がってたのだが、カウル付きスポーツタイプになってどんな走りになるか試乗前から興味津々だった

 

先ずは1速からクラッチミートでスタート、街中をゆっくり走ってみる。確かに低回転トルクはあるが、期待してたほど他車との差は感じない。それは私の期待感が大き過ぎたせいか、はたまた他車より10kg程重い車重が良さを相殺してるのか?

 

一つ考えられるのは、他車のエンジンのデキが良いという事。イマドキのバイクで「街中(低回転)で乗りにくい」では軟弱な若者にソッポ向かれるから、その辺りは各社抜かりなく対処してるんやね。スペックで見劣りしないよう高回転型を基本としつつ、下のトルクもシッカリ出す。これが令和の250ccの常識

 

とは言っても、ロングストロークのメリットが現れない訳ではなく、それが顕著なのは停止寸前の極微速でのトルク。ライバル他車なら恐らくエンストしてるだろう、って位まで回転数を落としてもGSXはまだ粘ってくれる。止まる動くを繰り返す鬼渋滞を走る事が多い人にとっては、有り難いんとちゃうかな?

 

反対にデメリットと思いがちなライバルに見劣る最高出力だが、一般道を走る分には不利さが全く見られない。取り回しでは気になったライバルより重い車重も全然気にならない

 

そらそうやろ。上で書いた「街中で乗りにくい」同様、「馬力不足だからモタつく」では、これまた買ってもらえないから、「乗りやすく、且つ快調に飛ばせる」21世紀のバイクにチャンと仕上がってる

 

それより気になるのが発進から低速度で走ってる時に聞こえる安っぽいエンジンサウンド。音なんか走りに何ら影響を与えないのだが、停止→発進の度に「俺は安っぽいバイクに乗ってるんだな...」って思い知らされる。まぁ、3、40km/hに達すれば風切音等で気にならなくなるのだが

 

という事で巡航速度になると音も気にならず実に快調に走れるGSXだが、空いてる郊外幹線道路を飛ばすと別の問題、体に受ける走行風が既に気になってくる。という事は、更に速度を上げられる高速道路では... (続く)