キンチョウスタジアムは名スタジアムだった

知らんかったけど、今年のサポーターズコンベンションはヨドコウ桜スタジアムの見学会付きやったんやな。サポコンに行くとオフレコも書きたくなるから行かんと最初から決めてたけど、スタジアム見れるんやったら行くべきやったわ

 

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「66億も使った割にショボい」

「アウェイ席に屋根無しはないわ」

 

他所の新規建設スタジアムと比較して、あれやこれや桜スタジアムを貶す意見があるが、彼らはキンチョウスタジアムで観戦した事があるのだろうか? そしてその価値を知っていたのだろうか?

 

キンチョウスタジアム、私は日本屈指のスタジアムだと思っている。それはスポーツ観戦の本質を捉えたスタジアムという意味で

 

私は欧州で様々なスタジアムを観てきた。ベルナベウ、カンプノウサンシーロエミレーツアリアンツアレーナ等のメジャーどころから、ビジャレアルサラゴサプロビンチャまで20ほどのスタジアムを。そして気付いた点が1つ

 

「屋根は小さければ小さいほど良い」

 

最新のスタジアム設計は、お隣の安普請スタジアムを手始めに全席屋根付きの、まるでドーム球場のようなスタイル。なるほど、雨天でも開催されるサッカー観戦で、雨や日差しに邪魔されない屋根は有難いだろう。が、スポーツとはオペラのように守られて観るものだろうか?

 

他のエンターテイメントと違い、スポーツ観戦で重要なのは解放感。最新スタジアムは最初はその快適さに感動はしても2回目からは閉塞感が否めなかった。屋根に守られたスタジアム、それは雨が降ろうがお構い無しに試合をするサッカーの本質に反するのでは?

 

それが証拠に、サカオタが聖地と崇めるバルサCamp Nou、旅費も含めれば大枚叩いてたどり着いた憧れの地、入場してみれば迎えてくれるのは広く開けた青い空(もしくは夜空)。屋根なんて邪魔なものはオペラ観劇したい上級国民向けのメインスタンドにしか存在しない。そう、Los catalanesは、サッカー観戦の本質を心得てる

 

キンチョウスタジアムは、カンプノウやメスタージャと同じ観戦感覚を持っていた。スタンド上段に立つと手前に試合の熱気、それと対照的な街の風景が広がる背景。スポーツ観戦でしか味わえない非日常感

 

加えてキンチョウスタジアムには、時折走る阪和線の列車と、地元感溢れる隣のマンション住人がベランダに掲げるフラッグが、何とも言えないアクセント

 

桜スタジアムの今回の改修、私に言わせれば「最高のスタジアムを出来るだけ崩さなかった上々の改修」

 

隣には大箱ヤンマースタジアムがある。客入りが期待できる試合は大箱を使えるので、小箱のままでも問題なかったキンチョウスタジアムを、ACLの試合を開催出来るように」が今回の改修の発端。ならばレギュレーションに抵触しない範囲でキンチョウスタジアムの良さを残すのが上策

 

全面屋根に覆われた解放感のない劇場のようなスタジアムなんて、もうお腹一杯。「選手が濡れるときはサポも濡れる」は至極名言だった

 

桜スタジアムには今回の改修で打ち止めで、解放感溢れる、外からも試合の熱気が感じられる日本最高のスタジアムとして生き続けてもらいたい