ZX-25Rについて長々と書いてきたが、そろそろfútbolの事も書きたいので、まだまだ書き足りなくて名残惜しいが今回で終わりとする
結論
新たに250cc4気筒を出すと聞いた時、「一旦マーケットから淘汰された商品構成だから、色々と無理が出るのでは?」と危惧したのだが、そんな事はKawasakiだって先刻承知な訳で、小排気量マルチの考えられる弱点は全て潰していると思う
ただ弱点を潰すだけだったら後ろ向きの退屈なモデルになってしまうが、4気筒のメリットを活かしつつ足回りにも力を入れ、ライバルと比べて1クラス上の楽しい走りを実現してる
また電子制御をふんだんに使ってきた事もプレミアム感を増している。恐らく初バイクで買った若者が45馬力でやらかす事を懸念しての事だろうが、それはつまり「初心者でも安心して走れるよ」のアピールでもある
さて、「他と一線を画す」と評したが、実は存在する唯一のライバル、CBR250RRとの対比についても書いておこう。どっちが速いかなんて無粋な比較は某誌に任せておいて、楽しさとか質感の比較をする
エンジンの楽しさに関しては言うまでもなく4気筒だろう。コーナリングの楽しさも若干ZX-25Rの方が上だと思うし、高速走行も4気筒で振動が少ない分、ZX-25Rに軍配が上がる
こう書くとZX-25Rの圧勝のように思えるが、ZX-25Rには致命的な弱点がある。それはあのヌルいライポジ。あれでは飛ばしても気分が盛り上がらないのである。エラくイケてる気分で走ってても「俺は何でこんな中途半端な姿勢で走ってるんやろ? これじゃ"気分はJonathan Rea"になれへんで」... と思いながら試乗してたわ
楽しさ比較以外でも弱点があって、それは燃費。当たり前の話だが、4気筒では2気筒に比べて大きく劣る。だからZX-25Rは燃費ごときでガタガタ言うような無粋な人間は買ってはいけない車種である
これは結論、「快作だけど初バイクにはお薦め出来ない」の理由の一つで、毎日乗りたい大学生諸君は燃費が気になるやろ? YZF-R25の謳い文句、「毎日乗れるスーパーバイク」は伊達やないで。通学に使うつもりやったら2気筒(か単気筒)にしといた方がエエで
しかし燃費は補足の理由で、真の理由は
「こんなよく出来たバイクをいきなり乗ったら、後のバイク人生がつまらなくなる」
私は試乗して「これは凄い性能だ!」と実感したが、それはNinja250や他の250ccと比べての事であって、ろくすっぽ公道を走った事のない免許取り立てが乗ったとしても、このバイクが如何に素晴らしいかを理解する事は容易でないだろう
それだけならまだ良いのだが、「バイクってこんなものだろう」と思ってしまうと次のバイクを買った時にガッカリする事間違いなし。上位モデルの6Rならそんな失望は起こらないが、予算の問題でミドルでも2気筒のNinja650とか、「次はフルカウルじゃないモデルを」とRebelなんかを選んだりしたら... ZX-25Rの性能に助けてもらってたコーナリングをして、事故らん事を願うわ
逆に言うと、既にバイクユーザーの人は是非とも乗ってくれ。私がお願いせんでも、発売前から大絶賛してた皆さんは当然買ってると思うけど、ライバル車ユーザーとしてはZX-25Rの2年目の売れ行きを懸念しとる
CBR250RRの凄い点の1つは、2年目以降もコンスタントに売れてる事 。この手の高価格高性能モデルは初年度だけ即完売で、後はサッパリ売れない事が多い。好事家が買った後は一般人から見向きもされない... この状況が嫌だから、メーカーはホントは作りたくて仕方がないスポーツバイク開発に二の足を踏むわけ
スポーツバイクも商売になる、それを証明したくてRRを買った人間としては、「流石マルチ、CBR250RRよりスゴい!」とZX-25Rを礼賛した連中には責任を取ってもらいたい、と切に思うで