'21オフ其の弐 クラブを去るセレッソ史上No.1ゲームメーカー

意外にも超有望株の加入情報に沸くストーブリーグセレッソだが、その裏で私にとっては意外だった選手離脱の知らせは突然やって来た

 

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藤田がやって来たのはユン解任(監督が望んでるのに契約更新せずは解任と同義)で大荒れの3年前のオフ。当時の私の印象は山口蛍によりヴィッセル神戸から押し出された形だったので、「実績的には申し分ないが、30回ってどこまで力が残ってるか?」という訝し気味の期待半分ってところだった

 

実際、ロティーナ新政権でもベンチメンバーとしてのスタートだったし、同時に獲得した奥埜が監督も驚くほどの掘り出し物な活躍を見せたので、同じボランチポジションの選手としては印象が薄まる一方だった

 

が、ニューヒーロー奥埜の活躍があってもイマイチ乗り切れない新チームは、3バックを諦め4バックに、そしてソウザに代わってここで藤田が登場。するとチームが機能し始めて面白いように勝ち星が伸び始める…

 

セレッソの歴史に於いて名将の一人に数えられるロティーナが清水で全く振るわず解任の憂き目にあったのは、アチラに”藤田”(もしくはデサーバト)が居なかったからだろう。別に藤田が特別スーパーという意味ではなくて、緻密な戦術がウリのスタイルではあのタイプのゲームメーカーが不可欠だったのでは

 

セレッソでゲームメーカーと言えば10番マルチネスや来季から関西復帰の扇原のように、一発ロングパスやキャノン砲を売りにするような攻撃力がセールスポイントのタイプばっかりだったので、藤田のプレーを見た時に「ゲームを回すとはこういう事か」と感心した。鳥栖や神戸時代はハイライトで見るだけの選手だったので、その真価をよく分かってなかった

 

名前を出すのも忌々しいがヤットとか称する選手、メンツ的に負けるはずもない時代のダービーでセレッソがイマイチ分が悪かったのは、奴が上手いこと試合を回してたから。当時はそんな事は思いもつかなかったが、藤田のプレーを見るにつれて「あぁやってヤラれてたんやろうな」と腑に落ちた

 

兎にも角にもこの3年間、藤田が必要不可欠な選手だった事は間違いない。そんな選手に出ていかれるのは大損失だが、ひょっとしたら来季のセレッソがゲームメーカーをさほど必要としないチームになるという兆候のような気がしてきた。伝統の”自由な発想で戦術に囚われない”(語彙力の無い人たちは、それをワクワクと言う)チームでは同選手は活きないので、その能力を必要とするチームに行って活躍するべき。凡将の元で腐らせるには惜しい才能である

 

しかし来た時はこれほどまでにセレッソに貢献してくれる選手とは思わなんだわ。昨今続くケンカ別れと違って、今回は円満退団のようなのは何よりやが、藤田の有り難さを痛感する新シーズンになる、とここに予言しておこう

 

ありがとう、ナオ君。柿谷と鈴木コージとの回はセレtube史上最高傑作やったよ