'21オフ其の伍 色んな意味で惜しかったチアゴ

一時期、サンフレッズなる妙な単語が聞かれた。首都圏の金満ビッグクラブが地方都市のクラブから選手を吸い取り続けるという、世界統一政府のようなサッカー界ヒエラルキーに従って出来上がった”広島製”チームを揶揄した造語だが、来年あたりそれの二番煎じが聞かれるかも知れない。その名も、”セレンパス”

 

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アゴは色んな意味で惜しい選手である。先ずはセレッソ加入の経緯。前年まで絶対のDFリーダーだったヨニッチが志那超級に突然ぶっこ抜かれて、その穴埋めで緊急補強の形で獲った、ある意味本来なら必要でなかった選手。しかも契約したはいいが無能政府の「スポーツ選手なんかにビザは出さん」(特段の事情とかヌカして外人をバンバン入れてたくせに)愚策のせいで来日出来ず、無意味に待たされてチームにフィットする期間が与えられない中での参戦であった

 

次に西尾の台頭。これは一度どこかで強調しておきたかったが、西尾の成り上がり力は異常である。ユース→U23コースはヨソにレンタルでお茶を濁した後バイバイって選手だらけのなか、同じコースから2年目には開幕スタメンの座を勝ち取ってる

 

そう言うと、瀬古が居るじゃないかという声が聞こえてくるが、彼はジュニアユースの頃から将来を嘱望されてた、云わばジーニアス曜一朗クラスの選手である。U23なんかあろうがなかろうが放っておいてもスタメンになってた別格で、そんなレアケースを例に挙げるのは何の意味もない

 

話が瀬古にズレたが、その他大勢U23選手に見えた西尾が今季開幕からレギュラーを続け挙句の果てには日本代表にまで招集されたなんて、去年言ったとしても信じる人など一人も居なかった”アンビリーバブル”な話で、こんな例は恐らくセレッソの歴史でも一度あるかないかの事象である

 

西尾、瀬古と前置きばかり長くなって恐縮だが、チアゴ第2の”惜しい”は西尾の出現。こんな超レアケースのライバルが居るなんて「聞いてないよ~」って嘆いてもいいぐらいの不運。で、西尾とチアゴのどちらを採るかと言えばレヴィとかいう老人を除いて全世界の監督が西尾の名を挙げる訳で、監督更迭後チアゴがスタメン落ちしたのは致し方のない話である

 

ここで終わればよくある”一瞬で帰国した外人選手”だが、彼に第3の”惜しい”があって、それは類まれなるヘディング能力。CBなんだからヘディングが強いのは当たり前だが、その得点能力はセレッソ史上No.1だろう。組み合わせに恵まれたACLグループリーグとか天皇杯やルヴァンで、モタモタした戦い方のチームが彼のヘッドに何度助けられた事か。私などはタガートじゃなくて彼がFWとして加入しててくれたら…と何度も思ったよ

 

これだけ”惜しい”セールスポイントが満載なのだが、放出のニュースを聞いても「まぁ、そうやろな」と思えるのも、もしかしたら第4の”惜しい”かも。スタメンCBは無理としても異能チアゴを何とか活用しようとしなかった小菊が監督続ける以上、セレッソに居っても冷や飯食いは不可避やし、だったら他チーム行ってセレッソでの不遇を見返した方が良いのでは、と

 

こうやって来季は敵になる選手の活躍を応援する気持ちになれるのは、vsセレッソ戦不出場条項があるからであって… 髭のオッサンも、同選手のヘッドの脅威には気がついていたようで