第2節Aアビスパ戦プレビュー 趣深かった開幕戦

先週末の開幕戦、先制されて逆転して追いつかれるというギッタンバッコンの試合展開もさる事ながら、個人的には今季のセレッソの先行きをあれこれと想像掻き立てられる、実に趣深い一戦だった

 

最初にインパクトを受けたのは先発右SBの毎熊起用。右SB松田が故障した時に穴埋めが出来るかを私は守備の懸念材料に挙げてたのだが、それをスタメン表一枚で打ち消す小菊監督からの”一発回答”

 

その毎熊のSBとしてのパフォーマンスはもう何の心配もする必要もない素晴らしいもの。長崎でSBとして名を上げていたので当たり前なのだが、セレッソでSBとして一回だけ使われた時の低調さと、それに反して前で使われた時はチームのストロングポイントと言って良い活躍に「そのままSHで使わないのは実に勿体ない」と思ってたので、もうこの試合だけで懸念も悔恨も吹き飛んだわ。今季はSB一本で勝負してくれ

 

そして毎熊に代わる新右SHのクルークスも「よくもこんな選手をアッサリと獲れたモンやな」と感心させられる素晴らしいセレッソデビュー戦。速さ鋭さコントロール、100点満点のクロス。Jでは間違いなくNo.1のクロッサー、あとは合わせる側の問題だけでそれがフィットしたら何点取れる事やら…と、嬉しい”心配”をしてしまう

 

それから、今季獲得選手の目玉のレオセアラーは不発だったがまだフィットしてないのは明らかで慣れればもっとやってくれるだろうとか、点こそ取れなかったが昨季に比べると攻撃の中心としての働きが見られた北野とか、コンディション不良なのかベンチスタートになったけど交代出場したら他とは一味違う動きを見せてくれた加藤ムツキとか、全体としても2点取れた事もあって先行き楽しみな攻撃陣であった、が…

 

…守備の問題点は解消できてへんかったね。懸念してたヨニッチの劣化やけど、やっぱり嘗ての圧倒的なヘディングの強さはもう無くなってたな。同点ゴールで日本人選手に競り負けたのは象徴的やけど、個人的にショックやったんは1失点目の”起点”となった競り負け

 

あのシーン、チームメイトは「ヨニッチなら競り勝って大きく前に出すやろ」と思って攻めに転じる動き出しをしてた筈。それが中途半端な横へのヘディングだったので相手に裏を取られる形になって失点に繋がった。私には競り負けたように見えたし、しかも大して高さのない選手やった(筈)なのでショックやった

 

多分、もうヨニッチなら空中戦で必ず勝ってくれると意識して守ってたらアカンのやと思うわ。他のCB同様、競り負ける可能性も考慮して動き出しを決めないと

 

劣化した点だけ指摘するのは功労者ヨニッチに対して失礼なので良かった点も述べるが、パス能力が著しく進化している。これは昨季戻ってきた瞬間に思った事でもあるが、嘗てユン時代あたりはボール持つとおっかなびっくりで松田に渡すぐらいがせいぜいだったパス能力が、「あれ、瀬古帰ってきたん?」と思える素晴らしいフィードを見せるまでの劇的な成長ぶり

 

元々セレッソにはリーグNo.1のフィード能力のジンヒョンが居るから後方からのボール供給能力に問題など無かったのだが、今後はジンヒョンヨニッチと基点が2つになって組み立てが更に楽になる… んやけど、このストロングポイントも守備面やなくて攻撃面なんよね

 

何れにしても形の上ではリードを守りきれずに失点を継続してしまったセレッソ。守備面のこの弱点を解消せん限り優勝なんて夢のまた夢やで、と心配しつつも暫くはワクワク(良い意味で)が止まらない攻撃陣にだけ目を向けて現実逃避をしよう