Ninja250インプレ 其の壱 高次元のバランス

以前に予告した通り、二輪業界の明日を担う2台の内の1台のNinja250のインプレなのだが今回はイキナリ結論から言おう

 

傑作バイクである

 

私は乗って5分で、「これやったらセールスの人、楽やろ。若者にアピールできるポイント満載やん」って思ったよ。見た目に惑わされてレブルになんか流されずに、若者はNinja250に乗るべきである

 

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こんな傑作が最初のバイクになり得る令和の若者は果報者である

 

そう言うと、別にCBR250RRのように性能を突き詰めてる訳でもなく、かと言ってジクサーみたいに半端ないお買い得感でもないし、はたまたレブルのように他との違いは一目瞭然の特徴的ルックスでもないし(Ninjaはフルカウルの標準的なデザインの域を出ない)、「何が凄いの?」となるだろうが、それは単純に一項目では諮れない

 

若者をファイヤーブレードの世界に誘う為の、完璧なる導入剤

価格と乗りやすさと性能のベストバランス

 

今回のインプレで「凄い」と書く時は、この2点に於いて、である。ちなみに、先代Ninja250の時にも同じ意味で凄いと思ったのだが、新型は更に上を行っていた。(なので私は感服した次第)

 

その凄いバランスを一例を挙げて説明すると、これ以上性能を上げようとするとコストアップは避けられず、すると薄給を強いられてる令和の若者を惹き付ける価格的魅力がダウンしてしまう

 

逆も真なりで、これ以上魅力的な価格(安価)にしようと思うと製造コストダウンは避けられず、即ちスペックダウン「ショボ(笑)」と若者からの評価が下がってしまう

 

ライポジも、これ以上前傾をキツくすると初心者に敬遠されてしまうし、かと言ってこれ以上ユルくすると受ける走行風が多くなりすぎて高速トライ=真のバイクの魅力へ踏み込む気を萎えさせてしまう

 

ちなみにCB250Rで私が酷評したステップ位置も、「ふくらはぎに触れてしまうけど、ギリギリ自然に足が下ろせる」と、これまた絶妙なバランス位置に配されている(理想はもう少し後ろなのだが、これ以上後ろにすると、軟弱世代に敬遠されてしまう)

 

後は、どうせ初心者には違いが分からない倒立サスラジアルタイヤは諦めるけど、スマートキースリッパークラッチなどシロートでもメリットが実感出来る装備は採用など、これまたギリギリの価格設定にする為の絶妙な取捨選択になっている

 

例を挙げればキリがないのだが、「今の設定から少しでも変更すると、導入剤としては何かしら破綻する」という、ピンポイントな設計になっている

 

少しでも甘くなるとスタンド入り、かといってこれ以上厳しいとデッドボール、ここしかないというギリギリのインハイ直球。それぐらいの匠の技である

 

が、世の中はそう単純ではない。こんな傑作が販売台数に於いて駄作の後塵を拝してるのかを、順を追って私見を述べる(続く)