夏の移籍市場 其の壱 十字架を背負わされた加藤陸次樹

欧州御一行様のドサ回り世界ツアーの為か、はたまた女子W杯の為か2週末も試合のないミョーなサマーブレーク。ちょっと前にAマッチデーで中休みがあったばかりなので、Jとしては盛り上がりに水を差される、実に締まらない日程

 

そんなユルユル夏休み気分の中、突如冷水を浴びせられるニュースが舞い込んできた。そう、言わずと知れた加藤陸次樹の移籍

 

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例えばシャチョーに人でなし監督人事に愛想つかされて主力に大量に逃げられた事や、昨オフのパトリッキお買い上げなど、今まででもレギュラー選手を抜かれる事はままあったが、シーズン途中に、しかも日本人選手が国内の他クラブに抜かれるなんてセレッソ史上前代未聞の失態やで

 

そりゃ、現代のサッカー界移籍ルールによれば相手クラブに満額用意されて且つ選手に出ていきたいと言われたら所属元クラブに打つ手はほぼ無いけど、ヒゲは加藤の広島愛を甘く見てた? それともあまりに非論理的な話で想定外やった?

 

そう、今回の奇妙な移籍劇の記事を調べるとブチ当たる、謎のキーワード。要は契約解除金満額用意されるケースは想定してたけど、3年目やし今季も試合に出てるし加藤も容易くはウンと言わんやろ… こういう一般的な見方がマジックワードで吹っ飛ばされた

 

加藤はオファーがあれば広島に行きたいと思ってたんやろ。で、シーズン途中やからと断れば冬に再オファーが来る保証なんかどこにもない、だから受け入れた、と

 

早い話、今更オファーする広島が悪いんよ。加藤が欲しいんやったら前のシーズンオフに出してりゃそんなに波風も立たんかった(もっと言えば金沢で活躍した年のオフに)。そして給料を3倍ぐらいにしてりゃ、「プロは高いカネ出してくれる所=評価してくれる所に行くのが当たり前」と言い訳も出来た

 

それが、カネは出さんし、中途半端な夏移籍で国内ライバルへ、となれば加藤も何か別ストーリーを作らざるを得んし。それがあのデキの悪いお涙頂戴三文芝居、「広島を忘れた事は無かった」

 

あんなん、選手に言わせたらアカンし、記事にしたのもアカンと思うで。だってカネでも優勝目的でもない、広島が好きで移籍しました、が公式キャラ設定化されてしまうやん。じゃあ、欧州からオファーが来たらどうすんの?

 

私は加藤陸次樹を非常に高く買ってて、このまま広島でも活躍したら1回ぐらい代表に声がかかるかもしれないと踏んでいる。もし仮にその試合でも活躍すればあの年齢でも欧州からオファーがあるかもしれない。しかし広島が好きで来た選手がアッサリそのクラブをソデにしたとあれば言行不一致も甚だしい。つまりタダでさえ面倒な欧州移籍に大嘘つき野郎の烙印覚悟というハードルまで付いてしまう事になった。つまり加藤の選手としてのステップアップはジ・エンド

 

我らセレサポはクラブ愛を前面に押し出したキャラ設定するリスクをよう知ってるし。例えば山口蛍。移籍金をたんまり落としてくれた、私的には”功労者”やのに過去のクラブ愛言動のせいで未だに多くのサポに裏切りモン扱いされてるし

 

今回の無理筋移籍に無理やり大義名分を通す為のあのデキの悪い台本、加藤を広島に縛り付ける大きな重荷になったと思うで

 

それは彼が選手引退する日まで続く…