世界耐久選手権第3戦鈴鹿8耐 fútbolの分かりやすさには勝てないモースポ

今年の鈴鹿8耐、言っちゃ悪いがツマラン一戦やった。前年ブッチギリで勝ったHRCが今年もポールポジション獲得。で、そんな大本命HRCが序盤に早々に先頭に立ち、その大本命を追い詰めなアカン対抗馬EWCレギュラー参戦組のYART、SERT、TSRホンダらが勝手に順位を落としていくんやから、見る方にしたらこんな盛り上がらん展開は無いやろ

 

そうは言っても走ってる側のライダーやチームのせいやない。ホンダだけガチのワークスで臨んでるんやから他所より速くて当たり前。強いて言うならヤマハカワサキもワークスチーム出して来いよ(中須賀とJonathan Raeはどこ行った?)って話やけど、日本最大のレースやから全メーカー全力投球ってな単純なハナシにならんのがモータースポーツ。そんなとっつきにくさやからライト層のファンが増えんのも当たり前

 

このあたりはサッカーが世界最大の人気スポーツたる所以でもある。クラブレベルでは色んなカテゴリーや大会があるけど、全世界全選手が目指すのはW杯。そしてその大会に出られるのは自らの国籍の代表チームのみ。日本人日本代表に入って日本の優勝を目指す。三笘薫が突然アメリカ代表になる事も、今大会はブラジルは不参加… なんて謎は起きない訳で、単純明快極まりない

 

その対極の分かりにくさの極みがモースポ。毎年ライダーが入れ替わり、それどころかチームも頻繁に名前を換える。そして国籍意識の希薄さ。例えば実況にあった「地元鈴鹿TSRホンダ」とか言われてピンとくるシロートは居るか? ライダー全員ガイジンさんで、このレース以外は海外で戦っていて、おまけにチーム名に”フランス”って入ってるのに何が鈴鹿のチーム??? 全部理由があるのは知ってるが、そんなん一見さんには絶対理解できんで

 

まぁ、一番強いメーカーが一番強いライダーと一番強いスポンサーを獲得して一番強いチームを作る、という別の意味で明快すぎるコンセプトがモースポの世界にはあるのだが… 日本の一般人には理解し難いやろうな

 

そんなモースポの面白さを理解してる(つもりの)者として、ツマランとは書いたが今年の8耐の良かった点も書きたい訳で、それは残り1時間半になった終盤、天候がアヤシくなってからは俄然面白くなったと思うで

 

二輪レースにとって雨は一大事。レインタイヤに交換するか? スリックのまま頑張るか? 交換するなら早めに換える勝負に出るのか? にわか雨期待でギリギリまで交換せずに済む道を探るか? そしてタイヤ交換が原因でトップチームにアクシデントとかあれば… それまで”無風”だったレースが一気に思惑乱れる波乱の様相

 

そうそう、一発大逆転が起こるかも分からない、このワクワク(嫌な言葉や)感スリル感こそエンターテイメントには不可欠な要素

 

この終盤だけ、個人的にはエラい盛り上がったわ。最終的には天候変化もモノともしないHRCの完勝やったけど(お天道様すらHRCを負かせなかった)、自分の推奨穴馬が4角先頭やった時のような高揚感を感じてたよ