第33節Hサンガ戦 山口蛍は正しかった

シーズン終盤というのはチームによりモチベーションの差がモロに出て、例えば同日に行われた昇格プレーオフとかはその結果によって選手のサッカー人生も大きく変わって来る訳で、それこそ己の全てを賭けて試合に臨んでくる

 

ちなみに私はプレーオフ”ドローならリーグ戦順位上位が勝ち上がり”というレギュレーションが大好きで、フツーの試合なら同点ゴールは追いついただけだがこのルールだとその1点で両者の状況は180度ひっくり返るので実にスリリング。元々他スポーツと比べサッカーは1点の重みが全然違うのだが、このルールだとその価値が2倍にも3倍にもなる、誰が考えたか知らんが勝負の面白みを最高まで高めてくれる至高のルールである

 

話が脱線したが、要はシーズン末期はモチベーションの占める割合がダントツで、勝とうが負けようが何も変わらない「目標はトップ3(笑)」セレッソが、可能性は薄いとは言え2部落ちの危機感のあったサンガにアッサリ負けたのは至極順当である(勝負事に疎いシロートさんにはオカルト臭く聞こえるかもしれないが、感情の動物人間がやると往々にしてメンタル差は実力差を上回るのである)

 

なのでこの試合を評価するときはかなり割り引く必要があるのだが、それにしても選手の連携が取れなさすぎやありませんか? 目出度く来季の続投が決まってる監督サンよ

 

特にこの試合を含め直近7試合でたった1ゴールの攻撃のレベルの低さは目を覆うばかり、アタッキングサードからの決め事は殆んど無いと言っても言い過ぎやないのでは。それぐらいパスは各駅停車やし、皆んなボール貰ってから考えてるし、それが前半終了直前までシュートゼロ本なんて体たらくに繋がってるんやろ

 

守備面とかGKからの繋ぎは結構整備されてるのに攻撃はサッパリってのは、小菊サンの生き方を反映してるんやろうな。要は守り重視、失点=失敗を恐れてそれには万全の対策を施すけど、得点=成功に関しては「取れたらエエなぁ」ぐらいにしか思ってない

 

だから失敗=降格圏には無縁なのだが、その反面大成功は掴めない。そりゃ当たり前や、モチベーションの”矢印”(何や、あのケッタイな表現は?)が後ろ向きなんやから

 

まぁ、そんな”勝てないけど負けない”選択を大多数のサポが是としたんやから、ある意味サポに相応しい監督、フロントという事で丸く収まるんやないの。監督交代派の私もそんなクラブやと理解してるから声を大にしては非難せえへんけど(ここで嫌味を書くだけ)

 

さて、そんなクラブと袂を分かって大成功を収めた選手が1人居る。何を隠そう、とうとうリーグ優勝の勲章まで勝ち取った背番号山口蛍である

 

御存知の通り同選手はセレッソユース出身でセレッソで2冠を勝ち取り日本代表としてW杯出場まで果たしたザ・セレッソみたいな存在やった。けど、心酔した監督をフロントがアッサリ切った事によりセレッソとの縁が”キレた”(笑)

 

「僕が出ていくということを、いろんな人に重く受け止めて欲しいなと思います」

 

山口退団時に残したこのコメントが多くのサポからバッシングを受けた事は、当時私には不思議でならなかった。曰く、「クラブを見捨てるお前が重く受け止めろとは何をエラソーに」って事やろうけど、いやクラブがした事はそう言われても当然やろ、としか私には思えなかった。何たってクラブに初タイトルをもたらせてクラブ史上最高順位まで残した功労監督をたった2年で切ったんやから

 

この”罪”は後任のロティーナがユンと勝るとも劣らない好成績を残した事で有耶無耶になったが、そのロティーナをもまたもやアッサリ切る愚行に出て、次に来たのがオワッタ老将でチームが低迷した事でフロントの罪は決定的になった(けど、誰もその責任を取ってない)

 

そんなフロントに愛想つかして出ていった山口蛍は、移籍先でクラブ初タイトル天皇杯を勝ち取り、遂にはリーグ優勝まで成し遂げる。ここに至って子供でも分かるやろ、あのコメントは正鵠を得ていた、あの時の螢の判断が正しくて非難したサポが間違っていた、と

 

結局、過ちって無かった事には出来ないんよね。因果応報、フロント&サポを含めた全セレッソ関係者は、何年も後からJリーグ入りしたチームに初優勝レースで追い抜かれた事を”重く受け取って欲しい”、とイチサポのワタシは思います🙇‍♂