オフの動向其の漆 将来の豊作より今日の晩飯、の徳真の放出

前回に引き続き、行く人について

 

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松田陸の件は出場機会の減ったベテランが活躍の場を求めてヨソへ…というごく当たり前のパターンで簡単なのだが、徳真の件は個人的には深刻やと思う。それはここ数年セレッソを支えてきた補強パターンに狂いが生じる可能性があるから

 

最近のセレッソ補強の必勝パターン、それはJ2オールスターズ。坂本達哉、加藤ムツキ、毎熊晟矢… 彼らはJ2で名を成し、それにセレッソがいち早く目をつけて”個人昇格”させた選手たち。徳さんやホセ古橋など古くはJリーグでないカテゴリーから引っ張ってきた事もあり、他クラブが同カテゴリーの選手や新外国人選手に補強を求めるのとは一味違った補強方針だった

 

鈴木徳間は当時J1だった徳島からだが、あのチームは実質J2みたいなものなので同じ手で連れてきた選手と見ていいだろう。前述の選手ら同様、初年度から頭角を現しボランチに故障者が続出した事もあって不動のレギュラーとして活躍した

 

が、2年目に状況は一変する。ビッグネーム、世界のシンジカガワの桜への帰還である。このアンタッチャブルな存在にポジションを取られ出場機会は初年度に比べ激減

 

思うに、昨季の低迷(少なくとも順位降下)は、香川のゴリ押し起用に端を発してるやろ。香川自身のパフォーマンスには評価が分かれるやろうが(私は可もなく不可もなくと思う)、未来ある中堅選手より先のないビッグネームを優先した事によりチーム構成の将来展望が全く立たなくなった

 

瞬間値的に徳馬が香川真司に劣ってたとしても、まだ伸びる年齢の中堅と落ちる一方のベテラン、一年後に逆転してる可能性は十分考えられる。理想はガチのレギュラー争いに勝って…やけど相手は聖域やで。あの競争がスポンサーバイアス無しとは私にはとても思えん

 

しかも香川は攻撃的MFの選手。プロ入り以前はともかく、メジャーになってから全然やってなかったボランチ、あまつさえアンカーにまで席を開けてやる必要はあったんか? ここまでされたら「あの人と競争しても勝ち目はない」って思われてもしゃーないやろ

 

これは次回に書く藤尾についても当て嵌まるけど、ほっといて競争に勝ったやつだけピックアップすればエエってな程、セレッソはビッグクラブやないで。先ず獲得競争にすらヒーヒーやのに(それに苦労しないクラブならSB補強は登里やなかったよね?)、目出度く取れた”金の卵”は確実に成長させんとクラブ編成が成り立たんやろ?

 

香川真司を優先させた事で客入りは良くなったし財政面では大いに成功したと言えるやろ。けど、私に言わせたら今日の夕食の為に将来豊作をもたらす可能性のあった種籾を食べてしまったようなモンや。もう一人のボランチの柱、奥埜も香川と同年代、2人まとめて突然劣化しても何らおかしくないのに、その時のチームを背負えた筈の絶好の人材を手放して…(喜田じゃ無理やろうし)

 

昨季になって手のひら返しで徳真の評価を落とした人が多いけど、私は使い続ければ結果を出す実力派やと思ってる。小菊神話の一つ、「ダービーにめっぽう強い」が徳真の”お礼参り”により破られへんか、心配でしゃーない流出やわ