第2節A鹿島戦 敵将ポポビッチとの思ひ出

セレサポならご存知の事だが、アントラーズセレッソの1番の天敵である。何せこの対戦までリーグ戦13戦連続勝ち無し、最後にリーグ戦で鹿島に勝ったのは一昔前のユン政権1年目の'17年なので、どんな勝利だったかサッパリ思い出せないほど

 

しかしそんな強~い鹿島も国内ではもう7シーズンも無冠(奇しくもセレッソがJ1復帰して以降)。なのに未だに”常勝”を騙るのが苦しくなったのか、近年は伝統のブラジル路線と決別して欧州から監督を招聘するなど、ご苦労の様子だ

 

で、昨季までOBのポエム監督で結構いい所まで行ったのに、どうやら常勝の看板が重いらしく、彼もアッサリお払い箱。で、今季は誰にチームを任せたのかと思ったら、やけに懐かしい名前が出てきた

 

ランコ・ポポヴィッチ。そう、セレッソ史上最悪の、史上最攻プロジェクトを託された監督である

 

前年の4位という好成績により意気上がるクラブは初戴冠への大博打に出た。世界的ストライカー、フォルランの獲得である。まだヴィッセルが世界的ビッグネーム獲得を連発する前の事なので、そのインパクトたるやJサポ総驚愕のウルトラニュースであった

 

しかもそれが我がクラブに来る! 後のイニエスタを迎える事になった神戸サポに勝るとも劣らないレベルで狂喜乱舞するセレサポ。が、現実はそんなに甘くはなかったんよね

 

今となっては理由は明白、スーパースター獲得の代償として名将レヴィー・クルピを切ってしまった、これが全て。チームが勝てるかはどうかの半分は監督に懸かってるのに、後に続くセレッソフロントの監督人事のマズさはこの時にも遺憾なく発揮されてた

 

で、名将の後釜に来たのが、現アントラーズ監督のポポビッチ。公正さを期する為に言っておくと、当時の評価はそこまで否定的ではなかった(少なくとも小菊続投なんかよりはずっとマシ)。嘗ては財政的にも成績的にも破綻状態になった大分をシャムスカの後を継いで見事な”敗戦処理”をして、前年まではエフトーを率いて上位に持って来てた。私個人はクルピを切った事には激昂してたが、ポポ自体には「行けるんとちゃうかな?」って思ってた

 

けどね、やっぱり当時のレヴィーは偉大やったんよね。一度名将が作った勝てるチームを壊してまた良いチームを作るのは容易な事ではなく、ワントップじゃなくなった柿谷は輝かず、かと言ってフォルランが前年の柿谷のようにワンプレーでチームを勝たすなんて曲芸もしてくれなく、名手シンプリシオを失った中盤は空回り(代わりに来たポポの子飼選手に名手の代役は荷が重すぎ)、唯一前年より確実に進化したと言える新戦力ゴイコカチャルは数ヶ月でチームから逃げて行くし、まぁハッキリ行ってオフの人事は全て裏目に出たって訳

 

今、冷静に考えたらこんな状況で勝てるチームにするってのは無理があったが、前年の好成績に酔ってたセレサポとしては夢と現実の落差に我慢ならず、ACL広州恒大に屈辱の大敗を喫した後、恥の上塗りのレッズ戦惨敗後(ミシャに嘲笑された試合後インタビューの屈辱さと言ったら…)、ほぼ満場一致で「ポポ切るべし」となったのもやむ無し、やろ

 

個人的にはオシムハリルホジッチにも通じるバルカン人特有のヘンコさがセレッソでは仇になったんやないかなぁ、と思うけど、経歴調べたらセレッソ辞めてからも途切れることなく監督キャリアが続いてるのでまぁ優秀な部類の監督って事になるんやろうけど、この試合見る限りあんまり長続きしそうな監督には思えんなぁ

 

そんな因縁ある元将とのご無沙汰対戦は痛み分け。長居の第2ラウンドでは対鹿島14戦ぶりの勝利で”ご恩返し”さしあげたい(ポポもそう思っとったやろうけど)